患者にスライドシートを使用する際に考慮すべきヒントとテクニック
ベッドでの移乗にスライドシートを使用することは、安全面だけでなく、患者の快適さ、安心感そして尊厳の面でもメリットがあります¹。
寝たきり患者の全身を動かすリスクは周知の事実です。摩擦を低減するスライドシートは、ベッド上で患者を動かしたり、水平移乗を行う機会の多い介助者の身体的な負担の軽減と、患者の快適さを向上させる適切なソリューションとなります。¹,²
スライドシートは自立度の高い患者がベッド内で自分の体を動かすことをサポートします。また、依存度の高い患者をベッド内で体位変換するために介助者が使うこともできます。
さらに、国際的なガイドラインは、褥瘡を患っていたり、そのリスクがある患者には摩擦係数の低い素材の繊維を使用することを推奨しています。³
患者自身の力で手足を動かすことができない段階でのリハビリでは、スライドシートを使うことで理学療法士の身体的負担を軽減し、患者の機能的動作を引き出し、最適なモビリティの達成を促すことができます。
以下の動画をご覧ください。
- 患者の下にスライドシートを敷く - アンラベリング法とローリング法
- 患者の下からスライドシートを抜き取る - チューブ状スライド
- スリングの取り付けをスライドシートでサポート
- スライドシートをリハビリに使用
患者の下にスライドシートを敷く - アンラベリングとローリング
アンラベリング法とローリング法を使用して、患者の下にスライドシートを敷きます。
患者の下からスライドシートを抜き取る - チューブ状スライド
フラットスライドシート2枚またはチューブ状スライドシートを抜き取る
スリングの取り付けをサポートするスライドシート
座ったままの状態でスリングを装着することは困難であり、皮膚の摩擦やせん断のリスクがあり、利用者にとって不快な場合があります。
スライドシートを使ったリハビリテーション
患者自身の力で手足を動かすことができない段階でのリハビリでは、スライドシートを使うことで理学療法士の身体的負担を軽減し、患者の機能的動作を引き出し、最適なモビリティの達成を促すことができます。
スライドシート - 臨床応用フル動画 - 18分
スライドシートの敷き方と取り外し方、かかとの下へのスライドシートの敷き込み、患者の体位変換、腹臥位、皮膚の除圧、着衣と脱衣、ベッドへの移乗、リハビリ、スリング装着のサポートなど。
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参考文献
1. Fray M, Hignett S. Using patient handling equipment to manage immobility in and around a bed. British Journal of Nursing, 2015; Vol 24 Issue 6
2. Bartnik LM, Rice MS. Comparison of caregiver forces required for sliding a patient up in bed using an array of slide sheets. Workplace Health & Safety, 2013. 61, 393-400
3. European Pressure Ulcer Advisory Panel, National Pressure Injury Advisory Panel and Pan Pacific Pressure Injury Alliance. Prevention and Treatment of Pressure Ulcers/Injuries: Clinical Practice Guideline. The International Guideline, Emily Haesler (Ed.)EPUAP/NPIAP/PPIA:2019. Section 6: Preventive Skin Care. Recommendation 3.4 Bed Linen. Page 88